Jリーグのサッカークラブがフロントスタッフに求めることは時代によって少しずつ変化しています。最近の事情を簡単に説明します。
CRMに強い人を探している
そもそもCRMとは何かと思う人もいるかもしれません。
CRMとは、Customer Relationship Management (カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略で、日本語では「顧客関係管理」または「顧客関係性マネジメント」などと訳される。(参考:シナジーマーケティング株式会社)
今までJリーグのチームはチケットぴあ経由でコンビニなどでチケットを販売することが一般的でした。どんな人が試合に見にきてくれているのかという情報は年間チケットを買っている人やファンクラブに加入してくれている方など比較的クラブに関心がある人しかわかりませんでした。ある日突然、年間チケットを購入してくれる人がいるかもしれませんが、大抵は少しずつ関心が高まって、毎試合通うようになって年間チケットを買うわけです。その予備軍はファンクラブに加入している方になります。問題はそのファンクラブに加入してくれる方の情報はほとんど入手することができません。
そこで近年Jリーグやクラブが力を入れているのがチケットシステムです。このシステムを経由して各クラブはチケットを販売するのですが、そうするとクラブには個人情報が蓄積されていきます。初めて来場される方や何度も来場される方など、ある程度のお客様の属性が見えてきます。その属性に適した情報の提供などを行うことでお客様とのより良い関係を作って来場者数を増やしていくのがトレンドです。
CRM自体何年も前に登場したフレーズなのにようやく、どのクラブでも「普通の」業務になりました。この話から見えてくるのはJリーグのクラブがインターネットを活用したマーケティングに遅れをとっているのは主に下記の理由が存在します。
1.インターネットに詳しい人材が在籍していない(最新の技術へのキャッチアップが遅れている)
2.投資するお金がない
インターネットマーケティングに詳しい人がクラブ内にほとんどいないがゆえに、誰かがお金をかけてまでやろうとする動きが生まれません。(一方でプロ野球のDeNAは理解がある経営層がいるため、圧倒的な速さで観戦者数を増やすことができました)
そこでJリーグが基盤となるシステムを各クラブに提供することで、投資の面をサポートし、専門性を持たない人でも取り扱えるレベルで運用できるようにしたことで、どのクラブでもようやく活用を始めるフェーズに入りました。この「道具」を使ってお客さんを増やすためにCRMの専門性を持った人をクラブが探しているのが昨今の状況です。ただCRMの専門性を理解できていない(または知らない)人もいるため、求人の要綱に出てこないときも多いです。
動画編集に強い人を探している
YoutubeやFacebook、twitter、instagramなどのSNSにおいて気軽に動画を配信できる時代になりました。動画を配信するプラットフォームが整備されたことに加え、スマートフォンでの撮影でも十分なクオリティになりました。動画を撮影し配信するまでの環境は誰でも気軽にできるぐらいになりました。
一方でJリーグの放映権がスカパーから変わったことで各クラブが裁量を持って動画を配信できるようになりました。選手がバスから降りてくる様子をSNSで配信しているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
静止画では伝えられない選手のメッセージ動画などを配信するなどの施策を打とうと思った際に動画編集をサクサクできる人がいるといいなぁと思っているクラブは多いです。そもそもどうやって編集したら良いのかよくわからない人もクラブにはいっぱい存在しています。
面接などで動画編集ができますと伝えて実際に作った動画をアピールするのもよいかと思います。その際にクラブが普段配信しているレベルは少なくとも超えるようにしましょう。(もちろん一部の動画は専門の会社に依頼しているので、日常的に配信しているものを見極めましょう。)
最後に
上で紹介したのはあくまで一般的な話ですのでクラブによってそういった人材を抱えている場合もあります。
また、マーケティングのテクノロジーは日々進歩します。そういった技術を常にキャッチアップしていく姿勢はクラブに入ったあとも大切です。
時代の変化に気がつき、それを活かして自分をアピールできるように準備していきましょう。
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